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2016年アメリカ大統領選挙・総集(執筆順)
トランプ政権の100日
その後のトランプ~2017年末まで

粉川哲夫の「雑日記」


キットの思想 (2018/01/18)

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ロボットアームのことを書いたら、早速質問をもらった。「ロボットアームのキット」って、完成品ですか、というのだ。

いや、キットはキットである。わたしが「完成品」など買うはずがない。コンピュータだって、使っているのは、「マック」を含めて全部自作だ。完成品は買っても、OSなしで「ロックされている」、裏技で直さないと使えないしろものです。

robotarm_box このキットは、「水圧式ロボットアーム」という、イーケイジャパンが出しているヨドバシで¥4380(税込)のキットである。130個ぐらいの部品から成り、それをいちいち組み立てなければならない。130個というと相当の数で、1個の取付に1分かかるとしても、完成までには2時間以上かかる。

robotarm_parts ただし、このキットの思想は最低であった。組立てるということは、手を使い、わたしの言う「手の思考」にしたがうわけだが、このキットは、完璧なまでに「手の思考」に逆らっている。「手の思考」を発揮すれば、絶対に組立たないように出来ている。

130個の部品を番号にしたがって、マニュアル通りに組立てるのは、「手の思考」を無視し、「脳の思考」を優先することである。いまや、「脳の思考」なんて時代遅れになり、「手の思考」に焦点が当たり始めているというのに、最低である。「脳の思考」は、すべてAIでやれてしまうのだ。

tesla_circuit その点、このパフォーマンスで使った「テスラコイル」(これも時間の関係で中国製のキットを使った)の方は、キットとうたいながら、実際には、冒頭の写真にあるような「部品セット」であり、添付の配線図にしたがって(ここは「脳の思考」)「手の勘」で組立てていかないと組み上がらないという点で、「手の思考」を優先していた。

この場合、「手の記憶」にしたがって、部品に触われば、おのずから組立て方が浮かんでくるのであり、その意味で、「水圧式ロボットアーム」は、官僚志向が好きなひとには向いているが、独立独歩のひとには薦めない。

(2018/01/18)

Art's Birthday 2018 (2018/01/17)

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毎年、1月17日は、「アートの誕生日」 (Art's Birthday) というある意味ではわけのわからないイヴェントの日である。最初に言い出したのはFluxusのロベール・フィリウ (Robert Filiu) だが、彼がそう言ったということを喧伝し、世界のあちこちのアーティストや〝好事家〟を巻き込んだのは、ハンク・ブル (Hank Bull) だった。

以来、高揚時には、既存のラジオ局や通信衛星のネットワークまでが加わって一大イヴェントにもなった。 こうなると、わたしのような天邪鬼は、一歩引きたくなり、まあいいかといった感じになって、うちうちで「アートの誕生」を祝うということになった。折も折、1995年には阪神・淡路大震災が起こり、そんな日に〝風流〟に浮かれてもいられまいという気も起き、大分こちらの勢いが衰えた。

とはいえ、2003年から2011年ぐらいまでは、Radio Kinesonus という音の実験サイトを立ち上げたこともあって、自然発生的にそこそこのイヴェントをして遊んだ。→若干の記録

その後はクヌートアウファーマン (Knut Aufermann) らのセッションにつきあうといった形で消極的な参加をするにとどまったが、ハンクが主催していたウェスタン・フロント (Western Front) でエンジニアをしていたピーター・クートマンシュ (Peter Courtemanche) が中心となって(というより彼が独力で)「アーツ・バースデイ・ネット」(→URL ) を整理・更新し、参加者をつのるようになった。そのせいか、態勢は、後退しているといえ、いま現在も、世界の各地からSNSなどで「勝手に」(これこそがFluxus流だ!)ライブをながしたりしている。

わたしは、SNSをやらないので、自分でストリーミングを立ち上げないとすると、毎度やっているように、数メートルの距離で電波を飛ばしてレゾナンスを作ってアートの誕生を祝うことになる(それがわたしのラジオアートの基本だから)が、たまたま、ウィーンのリズ・ツィマーマン (Elisabeth Zimmermann) の誘いにのって、彼女のKunstradio の「投稿」サイトにきわめて私的な実験の写真をアップすることにした。

TetsuoKogawa_AB2018_RobotArm_02 それは、わたしがこれまでやってきた素手と送信機との「いちゃつき」を「ロボット・アーム」でやってみようという実験のひとつで、キットで作った「ロボット・アーム」でテスラ・コイルを動かし、蛍光灯を無線で灯し、それから「誕生日」らしくロウソクに火を点けるという他愛のないラジオアート・パフォーマンスである。

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ラジオアートにとっては、このときの音がメインなのだが、送信機も装置もすべてDIYの自作が基本のわたしとしては、キットを使った今回の装置で出る音は本意ではない。だから、今回は、音のほうは「投稿」しなかった。

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突然飽きるかもしれないが、この関心が続くならば、キットではなく、DIYでロボット・アームを作り、わたしの素手に張り合うような動きをさせてみたいと思っている。

(2018/01/17)

バノンの危機と反逆 (2018/01/08)

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今年はトランプ離れで行こうと思っていたが、またしてもトランプ関連の書き込みになってしまうのは宿命か?

マイケル・ウルフ (Michael Wolff) の『Fire and Fury: Inside the Trump White House』が先週出て以来、そのなかで書かれているスティーヴ・バノンのトランプ批判が話題になっている。

バノンは、ホワイトハウスを離れたとき、依然としてトランプを支持すると宣言したが、この本のなかの発言の調子では、いくらトランプがプロレス仕込みのやらせ戦略の策士だとしても、二人の関係をなれあいとみなすことはもはやむりだろう。

詳細は、日本のメディアもいまごろになって熱心にバノンをとりあげはじめているので紹介しない。その影響で、日本のメディアなんかがバノンを日本に呼んだりするかもしれない。(→【追記参照】)

そういえば、あの亀井静香先生は、孫氏には遅れを取ったが、早々とトランプに会いにアメリカまで行ったが、トランプには会えず、当時側近中の側近だったバノンが代わりに会うことになった。そんなチャンスはめったにないのに、亀井先生はバノンが誰であるかを知らず、世間話をして帰ってきてしまったらしい。もったいないことをしたものだ。

日本のメディアをながめていると世界の動向がわからなくなるのは、いまに始まったことではないが、いまごろになってバノンなんかに関わるとロクなことはないということだけは明らかだ。

その点、あちらの富豪は抜け目ない。あれほどバノンをサポートしてきた右翼勢力の資金的黒幕ボブ・マーサー/レベッカ・マーサ父娘 (Bob and Rebekah Mercer) は、BuzzFeed News の最近号によると、トランプの支持は続けるが、バノンとの関係は絶つという。→参考

まえにも書いた経緯をたどれば、バノンはそれを見越して動いてきたはずであり、マーサ・ファミリーの援助後の対策を考えているのだろうが、トランプは、バノンとの関係を離れれば離れるほど、「普通」になり、共和党との関係はよくなる。

では、バノンのほうはどうなるのか? むかしから、「極右」と「極左」、いや、「左翼冒険主義」というべきか、は、ときとしてシームレスな関係をなす。つまり、「左翼」のなかにバノンを支持する者が出てきたりしかねないのだ。このへんで、彼が作ったドキュメンタリー『Occuppy Unmasked』をもう一度見てみたほうがいいだろう。→参考

【追記】「いやあ、バノンはもう日本に呼ばれてますよ」というコメントをもらった。2017年12月16~17日に行われたJ-CPAC のイヴェントで来たという。が、〝「バノン来日公演」4万8600円払って行ってみたら、ズッコケた〟という記事にあるように、来たには来たが、一般向けにはまだ顔見世程度である。バノンは、トランプとの関係で知られるようになるまえに、NHKの仕事をしている。したがって、NHKとはコネクションがあり、だから、NHK国際は、かなりひんぱんにバノンのことを報じている。 独占インタヴューもある。わたしが言いたかったのは、もっとマスレベルでバカ受けしかねないということだ。

(2018/01/08)

A Hopefully New Year 2018 (2018/01/01)

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「まつ人、をしむ人、喜こぶ人、さまざまなるべき新玉のとし立ち返りぬ。」(樋口一葉、1892年元旦、日記)

教育勅語(1890年) 大津事件(1891年)  「君が代」選定(1893年)  日清戦争(1894年)

(2018/01/01)