粉川哲夫の「雑日記」

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2024/02/17

国家に抗するバカ国家 トランプ判決

トランプ錯乱症候群への若干の癒やしを得た。

現地時間の2月16日、ニューヨーク市の民事法廷は、トランプとその息子たちに対し、10年間にわたる金融詐欺罪の判決を下し、彼らに総額3億50,00万ドル以上の支払いを命じた。すでにトランプは、作家E・ジャン・キャロルに対する名誉毀損訴訟で8,330万ドルの支払を命じられているので、そのダメージは大きい。当然控訴するようだが、とりあえず30日以内に資金を捻出する必要がある。すでに彼は、彼に対する訴訟を彼が次期大統領になることを阻止するための「魔女狩り」だとし、それに対抗するには自分を大統領にすることだと称して、募金運動を展開し、集まった金を実際に裁判費用に使っているが、これも彼一流の詐欺行為である。

なお、トランプもその息子たちも、今度の判決で収監されることはない。民事裁判だからである。

わたしは、国家機関のやることにはすべて反対だが、新たな、しかもより私利追求型の国家を作ろうとする国家主義者が国家のロジックで罰せられるのは、国家自身の痛快な逆説だと思っている。

トランプへの訴訟は、一個人や一市民が「不当」に起訴されるのとは全く次元が違う。そもそもトランプは、大枚を投じて「目立つ」弁護士を雇って遅延戦術に終始するが、その抵抗のどれ一つとして、一般人がスカッとした気分になるような戦術はない。だから、こういう奴が頑張れば頑張るほど、現国家は、国家を解消する可能性そのものに対する安全弁を強化することになることも忘れてはならない。その意味でもトランプとその一党は一日も早く滅びたほうがいいのだ。

トランプニュースにうつつを抜かしているあいだに、ロシアでは、アレクセイ・ナワリヌイが(暗)殺された。こちらは内部に矛盾があっても自消作用で矛盾を消し、生き延びる国家の出来事である。それを支持しているトランプは、そういう国家で生きてみたらいい。一日と持たないだろう。