■2014-01-08
●Dell Inspiron 2650 リボンケーブル問題
Inspiron 2650のCMOSバッテリーの交換のために分解をしたが、すべて終わったあとに、レポートの写真をとるためにもう一度分解を試みた。最初のときは細心の注意を払って行なったが、2度目は油断したらしい。パワーボタン・ボードのネジをはずさないでおいたため、液晶部分が重みで後ろに倒れたとき、マザーボード基盤とパワーボタン・ボードとを結んでいる薄いリボンケーブルが切れてしまったのだ。両端にソケットがついているので、マザーボード上のソケットからケーブルをあらかじめ引き抜いておけばこんなことにはならなかった。
このリボンケーブルは、両面に8本ずつの細い線状がプリントアウトされたもので、切れた部分を縫合するのはむずかしい。そこで、ネットを調べると、ebayで8.2ドル(もっと安いのでは3.7ドル)で売っていることがわかった。ただし、送料がけっこう高い。Fedexを指定していて送料だけで150ドルなどというのもある。
内部をいじれないものは相手にしないつもりでも、モールドされていてどうにもならないものがあるが、この場合は、ただのスウィッチング回路である。不細工にはなっても、線がつながるかどうかの問題だ。そこで、この部分がどういう回路になっているかを調べることにした。ネットはいまや何でもありの世界だ。Inspiron 2650の回路図が見つかった。その p.30にLID Switch & Function Buttonのセクションがあり、配線の具合がわかった。
コネクターは、ちょうどメモリー(デフォルトでは、ここに128MBのメモリー、裏蓋を開くとすぐ交換できる場所に256MBのメモリーが差してある。こちらを最初から256MBにしておけば、フルの512MBにするのにしやすいのに、素人は業者に依存しないとメモリーすら交換できないようになっている――ひょっとすると、こちらに128MBを差すのは日本DELLの営業方針だったかもしれない)。【→メモリー交換のための分解方法】
この回路から判断すると、マザーボード基盤の第14ピンをアースするか否かで電源起動のON/OFFをやっていることになる。つまり左の写真の赤矢印の部分から線を引っ張り、起動スゥッチの一端に誘導してやればよいということだ。スウィッチの他端はアースになっているはずである。
そこで細い線を探したが、わたしの手持ちでは0.5ミリのエナメル線が一番細い線だったので、これを使うことにした。両端のエナメルを半田で剥がし、軽くメッキする。それをコネクターの14番端子の穴に深く押し込んでやる。その線の他端を起動ボタンのボードに誘導するわけだ。
起動ボタンの基盤の起動スウィッチへの半田付けの場所は、テスターで探す。テスタの導通モードで、一方を基盤のアース部分に、他端を起動スウィッチ(裏側から見て右側)の3つの半田痕に当てて、スウィッチを押したときに導通する箇所を探す。見つかった場所にエナメル線の一端を半田付けした。エナメル線の被覆はかなり強靭だから、熱の出る部分の上を通しても問題ない。これで、やらなくてもよかったばかげた作業も落着した。DIYというのは、過程が面白いと思わないければ、できない。
◆【メモリー交換のための分解方法】
(1)キーボードの上部にあるヒンジの背面のネジ(短)2個をドライバーではずす。
(2)モニターを180度ちかく倒し、ヒンジの右端の隙間に爪(平型のドライバーなどでもよいが、傷をつけないように)で手前にこじ開ける。
(3)キーボードを固定しているネジ(4本)をはずす。金属板(部品名:M25X12L)が見える。
(4)キーボードを前面に倒す(フィルムケーブルたついているので注意)。
(5)金属板(M25X12L)の左にあるネジ(長い)をはずす。
(6)モニターケーブルのコネクターのネジ(短)を2本はずす。
(7)モニター・コネクターをはずす。フラットケーブルをとめているガムテープもはがす。
(8)コネクターの下から見える、金属板を止めているネジ(短)2本をはずす。
(9)金属板を手前に倒す(キーボードのコネクターが見えるので、これをはずせば、キーボードと金属板が完全に取り外せるが、メモリー交換のためだけならば、その必要はない。
(10)メモリーを256MBと交換する。ここに512MBのメモリーを差し、本体底面のカバーをはずした場所にあるもう1枚のメモリーを入れないとか、ここにあえて128~512MBのメモリーを挿入した場合、どれだけパフォーマンスが上がるかは未テスト。ちなみに、この部分に PC2100 DDR266 CL2.5 256MBを、底面のボックス内のに同じものを挿入した場合の「パフォーマンス評価のサブスコア」(「システム」)で、256+128の場合(デフォルト)のメモリー・パフォーマンスが1.0だったのに対し、2.7に向上した。DDR333の場合はもう少し上がるかもしれない。
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Tetsuo Kogawa 粉川哲夫
anarchyサイト シネマノート メール: tetsuo@cinemanote.jp