Tetsuo Kogawa  粉川哲夫

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■2014-01-07

●Dell Inspiron 2650 Bios内蔵時計の問題

ふるいマシーンを再生する場合、Biosの更新はあたりまえであり、まずすべてに先だって行う。DELL Inspiron 2650をもらってすぐBiosを立ち上げた。起動直後にF2を押し、Biosに入る。しかし、システムクロック(内蔵時計)が2001年に初期化され、時・分・秒の部分は動いていないことに気づく。これは、明らかにCMOSバッテリーの劣化の結果であり、バッテリーを取り替えなければならない。

ときとして、BIOSを新しくすると治ることがあるので、まずA3のヴァージョンのBIOSをA13にアップすることにする。これには、DELLのサイトから最新のBIOSを落とし、ファイルを走らせるだけ。 今回の場合は、第1段階のWindows XP Professionalのうえで行った。

しかし、クロックの状態は変わらない。現在時点の変更は出来るが、パワー電源を抜くとまた初期化状態にもどってしまう。いよいよCMOSバッテリーを交換しなければならないと思い、分解作業に入る。

分解の仕方は、DELLのラップトップ型にほぼ共通している。キーボードの上のヒンジをとりはずす。まず背面のネジを2つ外し、モニター部分をキーボードと並行になるくらい倒し、ヒンジを右側からバリバリと外す。それから、キーボードの上部のネジ4個を外すと、キーボードが浮く。コネクターが細いフラットなリボンケーブルでつながっているから、コネクター部分を外す。これで邪魔なものがほぼなくなるので、基盤を覆っている左側のカバーを外す。



液晶モニターのケーブルを外し、ビデオカードを外ずすと、右側のカバーも外れる。余分なネジを外さないようにすれば、あとで混乱が少ない。

これで基盤の面が見渡せる状態になったわけだが、CMOSバッテリーが見当たらない。ということは、裏側にあるということだ。DELLの設計思想はユーザーが分解できることを前提にしており、その分解図面もある。しかし、なぜかCMOSバッテリーの位置は明示していない。バッテリーは消耗品なのに、これではDELLの設計思想に反するではないか。

裏を見るには、本体の底の[P]という印のあるネジを全部はずさなければならない。また、HDDやフロッピーディスク、CDディスクドライブもはずしておかなければならない。



さいわいある時点で、若干力を加えると裏側が見える状態になった。あったあった、ちゃんとありました。しかし、よく見ると、基盤に半田付けしたホールダーに電池自身が溶接されているではないか。【画面クリックで拡大

しかたがない、ホールダーごと半田鏝ではずすことにする。使用したのは20Wの半田鏝。わたしの愛用は、いまはなき高千穂電気の「コテペン」である。ホーザンや白光のも使うが、「コテペン」の使いやすさは抜群だ。電池は、表示によると、ML1220というもの。→データ


あとは、基盤部分の極性をまちがえないようにして、リード線(この写真では赤がプラス、白がマイナス)を半田付けする。

また交換することもあるかもしれないと思い、今回のように無理やり裏側をいじらなくてもよいように、基盤の表側までリード線を延ばす。約12センチほど。そして、既存のボタン電池(持ち合わせの CR1216と使ったが、3Vならどれでもよい)にリード線を直接半田付けし、表面が金属部分と接触してショートしないようにビニールテープでコーティングする。【画面クリックで拡大

これで、新しい電池が付いたので、BIOS画面を出してテストすることにする。この段階では、本体の底の[P]のネジをとりつけなくてもよい。キーボードをもどすのがめんどうなら、USBキーボードかPS/2キーボード(このコネクターが着いている)を外付けにしてもよい。結果はOK。ちゃんと時計も動くし、パワー電源を引き抜いて時間をおいても時計が初期化されることもない。

なお、ここでは、電池を交換すればよいので、無理やり隙間を作って半田付けする方法を紹介したが、本来は、全部バラし、基盤の裏側が全部見える状態にするのがよい。それには、CPUファンをはずさなければならない。これをはずすと、熱伝導のシリコーングリスが取れてしまうので、あとで補充するなどやっかいではあるが、PCを組み立てた経験者には容易なことだろう。




●リボンケーブルを切ってしまった


●Inspiron 2650にWindows 7をインストールする


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