「雑記」

macOSをインストールする

Snow LeopardからVenturaまで



◆macOSをヴァーチャルソフト上で動かす話は、久しく更新していない「テクノロジーとのすったもんだ」や「Hackintosh」のページで書こうと思ったが、「雑記」は何でもありの場だから、こいつも突っ込んでしまおうと思う。そもそもこの話は、閉ざされているものは開く、《なおす》というわたしのテーマと無関係ではない。



Venturaは、2022年6月に発表されたmacOSで、いま現在、最新のmacOSヴァージョンである。新しもの好きのわたしは、まずこれをLinux上のVirtualBoxで動かそうとした。詳細は、いずれ詳述するが、考えうるあらゆる方法を講じても、うまくいかなかった。そこで、VirutualBoxはあきらめ、VMware Workstationで試みたら、一発で成功した。なんじゃいという感じ。
◆VirtualBoxにこだわるのは、これがオープンソースのソフトであるからだ。VMwareは、「個人使用・非営利」というタテマエで使えるが、この手のおためごかしなタテマエが気に入らない。が、いずれにしても、Venturaのヴァーチャリゼイションは可能であることが確認された。
◆ちなみに、ヴァーチャルソフトでの起動は、Hackintoshのように、ハード(ASUSのボードではダメとか、Dell Mini 9ならいいとか)の条件に依存したりしない点だ。いわば好きな機材を買ってきてパソコンを組み立てるのと同じようにヴァーチャルな組立が出来るのである。起動してくれれば、あとはMacOSの操作上の問題であって、ハッキントッシュのようにアップデイトしたら動かなくなるようなことはない。だから、Venturaの下のヴァージョンをまず入れ、それをアップグレイドしてもいいのだが、以下のヴァージョンでVenturaへのアップグレイドを試してみたら、ダメだった。どうも、VenturaとVirtualBoxとは相性がわるいらしい。



◆Venturaで失敗したあと、ひとつまえのヴァージョンであるMonereyをインストールした。わりあいすんなり行ったが、オープニングに貨幣のマークが出てきたのでうんざりした。これは、ハッキングをした際にだけ出る「おまえ、1ドルでもいいからカネ払えよ」というメッセージかもしれない。
◆ざっと動かしてみた印象は、まえのヴァージョンであるBig Surとの過渡期のOSにすぎないような気がした。Big Surよりは重く、まさにWindows Vistaのように、早く死んでくれという感じだった。
◆Moneteryという名称は、カリフォルニア州のモントレー・ベイから取ったらしいが、わたしには、この名は「モントレー・ジャズ・フェスティヴァル」を思い出させる。1963年のフェスティヴァルに出たセロニアス・モンクの演奏は音盤で聴けるが、ここでの忘れがたい演奏はほかにも無数にある。いまも92歳で健在のソニー・ロリンズは、1958年の第一回祭から何度も出ている。
ジミ・ヘンなどそうそうたるポップミュージシャンが登場するプレ・ウッドストックのドキュメンタリー「Monterey Pop」(1968)も記憶の底にある。そういえば、監督のD・A・ペネベイカーは、ソウルのアーティストやボブ・ディラン、デビッド・ボウイなどのドキュメンタリーでも有名だが、アニマル・ライトの問題をあつかった『Unlocking the Cage』(2016)も作っている。まさに、「檻を開けろ」のひとなのだ。macOSも、「檻」から出さなければならない。



Big Surも、カリフォルニア州の地名から取られているそうだが、そんなことより、まず想起させるのは、ジャック・ケルアックの小説『Big Sur』(1962)だ。邦題は、最初の『ビッグ・サー』が『ビッグ・サーの夏―最後の路上』に改題されている、「ビッグ・サー」ではなんだかわからなくて売れなかったので、ケルアックの有名な『路上』の方にあやかってこんな長ったらしいタイトルにしたのだろう。アップルとしては、単なる地名だけではなく、ケルアック伝説を意識したところもあるかもしれない。しかしねぇ、アップルの古さは、単純なステレオタイプなヒッピーカルチャーにこだわっているところだ。そういうのとは早く縁を切らないと先には進めないのではないか?



Mojaveの名も、同様の流れを隠し持っている。カリフォルニアの地名であるが、先住民のモハーヴェを意識していることは疑いない。わたしは、このヴァージョンが、32bitと64bitのアプリの両方をカバーするmacOS(Mac OS X)だというので入れてみたが、Venturaよりは軽いと思い、最初スペックの低いマシーンに入れ、えらい時間がかかり、うんざりした。起動しても、実に動きが遅い。



◆インストールとは関係のない講釈ばかり書き連ねてしまったので、Snow Leopardについてはやめよう。こいつでは、ハッキントッシュにはまっていたとき、手をやかされたが、今度VirtualBoxに入れてみると、Mojaveなどとくらべると、実に軽い。これは、Mojaveでふうふう言ったローエンドのマシーン(Core i5 2.53GのCPU、8Mのメモリーのラップトップ)でも問題ない。まあ、それはあたりまえである。ハッキントッシュで入れたDell Mini 9は、もっと低レベルの構成だったが、Snow Leopardが完動し、実用になった。
(続)

pre-zakki  zakki-list  all
Monday 13 Feb 2023 (update)