マスメディは報道しないが、黄色いヴェスト運動以後、そして今度の「ストライキ」のさなかにも、フランスでは、マイクロラジオ局がいくつも生まれた。
そのなかには、日本のミニFM自由ラジオを見習ったものもあるが、これまでの自由ラジオやマイクロラジオとちがうのは、当然のことながら、ネットが不可欠になっている点だ。ネットでライブストリーミングをやるのもあれば、電波はかぎられたエリア(ときには室内だけ)で出し、そのサウンドをSoundcloudにアップし、アルカイブ的な形で公開するのもある。
フランス北西部のブルターニュの La Radio du Rond Point(円形交差点)は、「6ヶ月まえにささやかな、黄色のヴェストラジオを立ち上げた」。そしてこの局は、ストライキの始まった「12月5日にはフル回転になりました」と主催者のポリーヌ(Pauline Chevallier)は言う。週に3回放送し、最新のファイルは、"ON MONTE D'UN CRAN" というシリーズの1の「ゼネスト」(Greve Genérale) である。
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"On monte d'un cran"というのは、英語では"pump up .."の意味で、明らかに、ミニ海賊放送にあこがれる者たちがよく見た映画 "Pump up the Volume"(邦題「今夜はトーク・ハード」1990)にひっかけている。
ちなみに、Pump up the volumeは、「音量(ボリューム)をぐいっと上げろ」という意味と同時に、既存のものを(その音で)消してしまえ、といった造反の意味だった。なお、最近では、自分の排便や排尿の音をトイレで消すために水洗トイレのレバーを押すことを意味するそうで、なるほど、いまの状況を示唆してあまりある。
トップの写真は、落書的にストライキ下の運動状況を報じる「Maison De La Grève Online」(ストライキの家オンライン)局の画面。(2019/12/14)