「シネマノート」  「雑日記」


2007年 06月 06日

●変革の衝動

ときどき、慣例化したことをすべて変えたい衝動にかられる。ま、実際にそんなことをしてきたのだが、なぜそうなるかについては一向にわからない。気候や太陽黒点の変化かもしれない。
髪型も行きつけの食べ物屋も服装もかなぐり捨てたくなるわけだが、昔とちがってコンピュータ(機材)に束縛されているから、ふらっと旅に出てしまうことはない。出ないように自分を馴らしたのかもしれない。
講義などは、毎回、その日の朝方まで何をするか決めない(決まらない)から、こういう「変革の衝動」の被害をこうむりがたい。
結局、変えたいという衝動の犠牲になるのは、もともと慣例化し、惰性化したものごとなのだ。でもねぇ、毎回ちがう店で飯を食っていたら、胃がまいってしまいそうだし、毎日服装スタイルを変えるとしたら、そういうセンスのないわたしは、ほかの仕事ができない。レストランなど、予約をしている場合は仕方ないが、ふらりと立ち寄るような店の場合、今日はここはやめようと思って、その店の前を通りすぎ、それから何時間も、ここはダメ、ここはいまいち・・・と通りすぎながら、無駄な時間をすごしてしまうことが多い。
このあいだ、トロントで開かれたDeep Wireless 2007にネットで参加したとき、わたしのワークショップ(これはRealMediaのストリーミングでやった)のあと、Realだとディレイが3分もあって話ができないので、Skypeを使ったのだが、そのとき、話の最中にうっかりAdam Hydeのアドレスに触ってしまった。
すぐに彼の声がして、なんだなんだということになった。彼は、まだ南極にいるのかと思ったら、アムステルダムに帰ってきていた。南極には、I-TASC (the Interpolar Transnational Art Science Constellation)[http://www.interpolar.org/]のプロジェクトで行ったのだが、「南極で人生が変わったよ」と言う。
南極ねぇ。わたしには、そういう自然志向がないから、人生が変わる場所があるとしたら、都市だろう。しかし、都市はもう終わりだから、やっぱりサイバースペースか?