■NEXTSTEP3.3JをDell Mini 9のVMware
Workstationにインストールする 【最終調整】
◆NEXTSTEP3.3JのGUI画面(まだモノクロ)がとりあえず立ち上がってからも、まだやるべきことが残っている。(1)マウス・ポインティターの狂った動きの修復(2)ディスプレー・ドライバーの変更(カラー化とレゾルーションの拡大)(3)ディスクドライブの正常化(CD-ROMドライブを使えるようにする)である。これらが完了してから、ユーザーの付加、ネットワークの設定等NEXTSTEP本来のセットアップをおこなう。
◆マウス・ポインターの問題
すでにお気づきと思うが、WMwareでNEXTSTEP/OPENSTEPをインストールした際には、マウスポインターの動きがだんだん狂ったような動きになる。あげくは、制御不能になるだけでなく、へたに動かすと勝手にアイコンをドラッグしてしまったり、移動したりして、手がつけられなくなる。これを修正するには、VMware用に調整されたマウスドライバーを入れるしかない。
VMMouse.1.1.I.bs.tar
しかし、どうやって? まだネットにつながってはいないから、フロッピードライブかCD-ROMドライブから読み込むしかない。ところが、
EIDE/ATAPIドライバーがまだ暫定的なため、CD-ROMドライブはつかえず、フロッピードライブだけが唯一の「窓口」となる。
フロッピードライブからファイルを読み込ませるには、
VMMouse.1.1.I.bs.tarを
isoファイルに変換して、さらにその拡張子を
.imgに変更する必要がある(
isoをそのまま
imgに書き換える)。
isoファイルへの変換は、
ImgBurnなどでやる。
このファイルを、すでに一応のインストールを終わったNEXTSTEP3.3JのVMwareのフロッピーディスクの
Settingsを変更して読み込ませる。NEXTSTEP画面の「Disk」→「Check for Disk」をクリックすると、NeXTの画面に、
Discのアイコンが出る。これをクリックし、me等の場所にコピーし、(このとき拡張子の
.tarが消えたりするので)コピーされたファイルの後ろに拡張子
.tarを付けてやる。すると、
VMMOUSEというフォールダーが得られる。このなかから
VMMouse.configを見つけ出して、クリックすれば、マウスのドライバーが自動的に「Summary of Devices」の「Disply」の部分に収納される。
あとは、困った「
PS/2-Style Mouse (v4.00)」を削除し、「Add」で「
VMWare virtual mouse driver (v1.1)」を選び、「Done」→「Save」へ進み、再起動をかければよい。
だが、この作業の最中にマウスポインターがとんでもない動きをして、簡単にはこの段階まで進めない。
Ctrl + Altキーを同時に押す作業をくりかえしやりながらやると少しはおさまるが、どのみち大変である。マウスの位置が固定できなくて、にっちもさっちもいかなくなったときは、VMwareの電源を切る(
VM→
Power→
Power Off) しかない。むかしの
NeXTコンピュータでは、へたに電源を切ろうものなら、ファイルが消えたり、ブートできなくなったり、大変だったが、ヴァーチャル・プラットホームではそういうことがない。それでも自動で
FSCKをかけていたりして、立ち上がりには多少長めの時間を要する。
どうも、起動している時間が長くなるとマウスポインターの動きが「狂って」くるらしい。何度もリブートするのが秘訣である。とにかく、無事、新しいマウス・ドライバーのインストールが済めば、ひと安心である。
◆ディスプレイ・ドライバーのインストール
ディスプレイ・ドライバーも、フロッピードライブから読み込ませる。ファイルの名称は、
VMWareFB.1.00.I.bs.tarであり、実質的に必要なのは、
VMWareFB.config である。このConfigファイルをクリックすると、自動的に
Configure.appが立ち上がり、ディスプレイのインストール可能のドライバー候補として格納される。
やりかたは、マウスドライバーのインストールのときとほとんど同様だが、もはやマウスが狂った動きをしないので楽だろう。画面の動きも急速に速くなる。
一度上の段に置き、どこか――ルート・フォールダー内でもよい――にコピーする(上から下にドラッグするだけ)。キャプションのついていないコンピュータのアイコンをクリックするとルート・フォールダーがあらわれる。あとは、ファイルをクリックし、指示に従えばよい。
リブートすると、画面が大きくなり、カラーのGUI画面が登場する。
◆マウスの移動範囲の調整
ディスプレイ・ドライバーをインストールすると、そのままで1024 x 768 のレゾルーションになっている)。調整は、NetAdmin→Configure.appでConfigureメニューを立ち上げ、「
Select」で選択することができるが、マウスの移動範囲は、これに対応して変わるわけではない。
マウスのほうはいちいちディスプレイのレゾルーションにあわせて範囲を変更しなければならない。デフォルトでは
640 x 480になっている。
変更するには、メニューの下段の「Desktop layout」の「
w」と「
h」の数字をディスプレイの数字にあわせて変更しなければならない。
そのときとまどうのは、「h」の数字(デフォルトで「640」)がすんなり変更されないことだ。これは、
Tabキーで打ち込み個所を移動し、最期にリターンを押すとうまくいく。
「
Expert」をクリックして出て来る「
Edit Expert Settings」の一番下にある「
Y Size」でも書き換えられる。
その場合も、変更個所の列をポインターで指示したのち、
Tabキーで「Y Size」の部分から順に「640」まで移動してから「769」のような数字を打ち込み、
リターンキーを押すのである。「Done」をクリックしても表の「h」の数字が変わらないときは、さらにその部分(やはりTabキーで移動する)を書き換える。
◆パスワードの設定
ドライバーのインストールの際、
pkgファイルを取りこんで、メニュー画面でインストール作業をするとき、rootで操作しなかればならない。そのためにも、このへんで
rootにログインするログイン画面を設定したほうがよい。
それには、
rootと
meのパスワードを設定すればよい。
NextAdmin→
UserManagerでもできるが、一番簡単なのは、
NextApps→
Terminal.appを立ち上げて、コマンドラインでパスワードの設定をする方法である。設定が終ったら、ログオフし、
rootでログインしなおす。
◆EIDE/ATAPIドライバーのインストール
まだまだ2000年問題のパッチとか、インストールしなければならないファイルがあるのに、フロッピードライブだけしかつかえないのでは、NeXTの豊富な機能を発揮できない。
だから、ドライブの修正パッチ
EIDE.pkg.tarのインストールは必須である。
やり方は、フロッピーディスク経由で
EIDE.pkg.tarを取りこみ、最終的に出て来るインストールメニューを使ってインストールする。これによって、ドライバーが予備軍として格納される(まだインストールは終わったわけではない)。
まず、暫定的に入れた「
EIDE and ATAPI Device Controller」を「Remove」し、それから「
Primary/Secondary(Dual) EIDE/ATAPI Device Controller (v3.37)」をさがして「Add」する。
インストールが終わり、リブートすれば、
NextAdmin →
Configure.app →
Other Devices で見えるドライバー群のなかに「
Primary/Secondary(Dual) EIDE/ATAPI Device Controller (v3.37)」があらわれる。
IRQの
14と
15の部分が白くなり、デュアルに使われていることがわかる。
これで、ホストマシーンにUSBで接続したCD-ROMドライブのデータを読み込むこともできるし、また、ヴァーチャルCD-ROMディスクに
isoファイルを読み込ませることもできるようになる。
◆2000年問題の解決
こうすると、ログアウト後、NEXTSTEPのログイン画面になる。ここまでで、NEXTSTEP3.3Jが使える状態になったと言えるが、NeXTは、2000年問題以前のマシーン+OSだから、このままでは、rootでログインして右上に出る
Preferenceで日時を設定しようとしても、
December 1999以上の日付を受け付けない。「2000年パッチ」が必要である。それは、「
総コレクション」のなかにある→「
33JUserPatch1.pkg.tar.gz」。これを
ImgBurn等で
isoイメージ化し、CD-ROMドライブから取りこむ(→【
isoファイル】)。これで、現在の日時の変更が可能となる。
◆上記で使用したimgファイル【ダウンロード可):(1)
マウス (2)
ディスプレー (3)
CD-ROMドライブ